■枯淡苑のコメント
著者の子どもたちのために創られたフランス童話。とある小さな木があえて恵まれた環境を抜け出し、人々の生活に足を踏み入れ大人になるまでの冒険を描く物語。
原題はLe Petit Arbre。
目を引くのはイラストレーターであるシルビー・セリグのメルヘンな挿絵。
お話をやわらかくするような親しみやすいレトロな絵がすべてカラーで掲載。
木や動物は妙にファッションセンスが高く擬人化されており（主人公のちびっこの木は小洒落た赤い水玉スカーフを首元に巻いている）、裏表紙にもあるバルコニーの女性やクラシックカーのデザインもどこかしらキッチュな雰囲気を漂わせています。
日本での初版が1969年と、技術革新や経済成長が顕著だった時代がゆえ、訳者解説ではフランスが素朴に守り続ける自由・独立・愛情といったテーマを本書に読み取ることができるともあります。
お子さんには、小学校低学年ごろからお読みいただけます。
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■紹介
小さな木は人間と一緒に暮らしたいと思い、森からぬけだして歩き始めました。さまざまな人間に出会って成長する小さな木の物語。
■その他商品情報
著：テルマ・ボルクマン
絵：シルビー・セリグ
訳： 花輪 莞爾
出版：偕成社
判型・頁数：24cm×20cm、68ページ
発売日：1969年12月