【新刊】愉快な家 ─西村伊作の建築
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【新刊】愉快な家 ─西村伊作の建築

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■枯淡苑のコメント
"家族とともに愉快に暮らす住まい"

「生活を芸術として」という思いを込めた西村伊作の自邸を、うつくしい写真、伊作自身のスケッチを多数掲載し解説した本。黒川創のコラム、大竹誠・坂倉竹之助・藤森照信らの鼎談など、読み応えのあるテキストも。

西村伊作は、1884年に紀州(和歌山県と三重県南部のあたり)の新宮出身。
文化学院(軽井沢ルヴァン美術館が当時の校舎を再現しています)を創立した教育者としても知られ、画家、陶芸家、生活文化研究家など様々な顔を持ちますが、国内でバンガロー、教会、保育園などさまざまな建築物の設計も手がけました。

若い頃から写真、建築、陶芸、家具づくり、焚き火、庭いじりまで数多くの手仕事に没頭し、素人らしさを大事にしたそうです。

伊作の自由闊達な考え方が生かされた邸宅は、住宅の居間中心・家族本位へのスタイルが強く打ち出されています。特にイングルヌック(ストーブを中心として長椅子を左右に置いた団欒のための小空間)は、コバルトブルーとホワイトのコントラストが映ええる内装で、ハイカラだが愛嬌のある不思議な印象を受けます。
※邸宅は現在では国指定重要文化財となり、旧西村家住宅(西村伊作記念館)として公開されています。

実は松本市にも西村伊作ゆかりの場所があります。
その昔、彼のユートピア思想に触発された教育者たちが、直接西村伊作に設計を依頼して7軒の家屋と小さな広場で構成された「文化村」が作られていました。
枯淡苑から歩いて5分もかからない沢村というエリアに、「文化村跡」に関する看板が残っています。
参考:文化村のあったところ | 新まつもと物語

"家は小さくとも庭で食事をしたり、読書したり、戸外での生活を満喫するよう提唱・実践"してきた彼のライフスタイル・思想はなんともうらやましい限りです。

■こちらの本もおすすめです
- 私の生活改善運動
- 導光 ー花は盛りにー
- かざる日本
- St Ives Artists : A Companion
- 小さな家の物語

■目次
□伊作の楽しきわが家
──百年前、伊作が新宮に建てたスウィートホーム/家族が過ごす食堂・居間は広く、明るく、快活に/洋館に、日本の家のよさも取り入れる/丈夫で簡素な家具こそ美しい/上下水道のない時代に、自前で設備をつくる/自邸Ⅲの平面図/自邸Ⅰ・Ⅱの平面図

ハンドメイドで生きた人──西村伊作のこと 黒川創
生活の設計家・西村伊作 大竹誠×坂倉竹之助×藤森照信
西村伊作略年譜

□今も残る伊作の建築
住み継がれる百年前のバンガロー|坂口道雄邸
広いベランダのある簡素な家|妹尾丸夫邸
石積みの塔とスロープのある教会|倉敷教会
「おとぎの城」と謳われた保育園|若竹の園
美しい思い出を育む英国風コッテージ|文化学院
前田慶治邸/旧林桂二郎邸/旧チャップマン邸/紀南教会
大正デモクラシーの住まい──西村伊作の住宅 田中修司

■その他商品情報
撮影:普後均
出版:LIXIL出版
判型・頁数:A4判変型、76ページ
発売日:2011年3月10日