【新刊】責任の生成 中動態と当事者研究

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■紹介
責任(=応答すること)が消失し、「日常」が破壊された時代を生き延びようとするとき、我々は言葉によって、世界とどう向き合い得るか。『中動態の世界』以前からの約10年にわたる「当事者研究」との深い共鳴から突き詰められた議論/研究の到達点。

■目次
まえがき──生き延びた先にある日常  國分功一郎

序章 「中動態」と「当事者研究」
  まずはじめに
  「当事者研究」に先立つもの
  「医学モデル」から「社会モデル」へ──パラダイムチェンジの背景 
  見えにくく、わかりづらい障害──私はいったい何者なのか?
  「当事者研究」と「当事者主権」
  症状と一緒に地域に出る
  「外在化」と「仲間の力」
  「免責」から「引責」へ 
  『発達障害当事者研究』の前提──ディスアビリティのインペアメント化
  「まとめ上げ」と「絞り込み」の困難 
  〈この〉性と想像力 
 質疑応答
   ① 健常者とASDの人の住み分けについて
   ② ASDは精神分析で症状改善され得るか
   ③ 綾屋紗月さんはうつ病にならなかったのか
   ④ ASDの雇用について
   ⑤ ASDの中核にある障害について 
   ⑥ 予測誤差が大きくなってしまう場合について 

第一章 「意志」と「責任」の発生 
  使い勝手の悪い日常言語 
  『中動態の世界』と当事者研究 
  「能動」「受動」は新しい文法法則である 
  中動態の定義 
  中動態の三つの意味 
  能動態/中動態から、能動態/受動態へ 
  「意志」の誕生 
  意志と無からの創造 
  意志・選択・責任 
  行為のコミュニズム、ドゥルーズと「義の心」
  「傷と運命」 
  「予測誤差」とトラウマ 
  記憶の蓋が開くとき 
  ヒューマン・ネイチャー/ヒューマン・フェイト 
  「12のステップ」というプログラム 
  権力と非自発的同意 
  内臓のアフォーダンス、中動態を生き続ける身体 
  中動態は救いではない 
  必然的法則と「自由」 
  コナトゥスと当事者研究 
  意志することは憎むことである 
  「私」と「傷」 
  「サリエンシー」と慣れ 
  統合失調症パラダイムの喪失 
 質疑応答
   ① 当事者研究がつらい 
   ② 中動態の消滅と釈迦の誕生は関係あるのでは? 
   ③ 能動・受動・中動と医学の歴史について

第二章 中動態と「主体」の生成 
  意志とは切断である 
  意思決定支援と欲望形成支援 
  「モル的」と「分子的」 
  「したい性」と「します性」、「うっかり」の効用 
  現象学と発達障害 
  他者の現象学と当事者研究 
  主体の生成と図式化 
  予測誤差と〈この〉性 
  予測・図式・想像力 
  「他者」はそんなにすごいのか 
  胎児の身体図式 
  コナトゥスと想像力 
  内臓への着目 
 質疑応答
   ① 「私」はどこから出てくるのか? 
   ② コナトゥスは解体されるべきではないか?

第三章 自己感・他者・社会 
  自己を維持するにはコナトゥスに逆らわねばならない 
  コナトゥスと退屈しのぎ 
  消費と浪費、あるいはインプットとアウトプット 
  意識と自己感 
  原自己・中核自己・トラウマ 
  「自伝的自己」には他者が必要 
  無人島では自己が存在できない 
  他者との出会いの条件 
  多数派が多数派である理由 
  「キー・コンピテンシー」のネガとしての自閉症 
  求められる反中動態的な生き方 
  当事者研究と当事者運動 
  認知行動療法と当事者研究 
  ネオリベ的慎慮主義 
  傷の否認と消費行動 
 質疑応答
   ① 認知行動療法のプロセスは中動態的ではないか? 
   ② 性・傷・中動態はどうかかわり合うのか? 
   ③ 「傷」と「他者」について 

第四章 中動態と「責任」 
  「意志」と当事者研究 
  「使う」という哲学 
  プラトン『アルキビアデス』を読む 
  プラトニズムの誕生 
  abuseとuse 
  水を味わう、身体を味わう 
  支配と自由 
  介助者運動と当事者主権 
  責任と応答 
  エビデンスと根拠なき「信」 
  「12のステップ」における変化のプログラム 
  「責任」は中動態の先にしかない 
 質疑応答
   ① 介助者とどのようにして親しくなるのか? 
   ② ビジネスの世界の会話は能動態ばかりではないか? 
   ③ 認知行動療法的恋愛本は危険ではないのか? 

孤独、思考、言葉 
おわりに  熊谷晋一郎

■著者プロフィール
國分 功一郎  (コクブン コウイチロウ)  (著)
東京大学大学院総合文化研究科准教授

熊谷 晋一郎  (クマガヤ シンイチロウ)  (著)
東京大学先端科学技術研究センター准教授

■その他商品情報
出版:新曜社 
判型・頁数:四六変型判、432ページ
発売日:2020年11月25日

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