【新刊】ケアの倫理とエンパワメント

【新刊】ケアの倫理とエンパワメント

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■枯淡苑のコメント
文芸誌『群像』にて連載された、文学が包含する〈ケア〉の発掘と、〈ケア〉そのものの価値を見直す論考。

相手に寄り添いながらも、不確かさや疑いの中でいられる能力「ネガティブ・ケイパビリティ」や「カイロス的時間」「多孔的な自己」といった、鍵となるいくつかの概念を絡め、〈ケア〉の意味を拡げることを試みています。

3.11の被災者や非被災者の関係性もテーマとなっている、NHK連続テレビドラマ小説『おかえりモネ』の副読書としても読めるかもしれません。

試し読みは出版社サイトにて。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000354535

■紹介(版元ドットコムより)
自己と他者の関係性としての〈ケア〉とは何か。

強さと弱さ、理性と共感、自立する自己と依存する自己……、二項対立ではなく、そのあいだに見出しうるもの。ヴァージニア・ウルフ、ジョン・キーツ、トーマス・マン、オスカー・ワイルド、三島由紀夫、多和田葉子、温又柔、平野啓一郎などの作品をふまえ、〈ケアすること〉の意味を新たな文脈で探る画期的な論考。

本書は、キャロル・ギリガンが初めて提唱し、それを受け継いで、政治学、社会学、倫理学、臨床医学の研究者たちが数十年にわたって擁護してきた「ケアの倫理」について、文学研究者の立場から考察するという試みである。(中略)この倫理は、これまでも人文学、とりわけ文学の領域で論じられてきた自己や主体のイメージ、あるいは自己と他者の関係性をどう捉えるかという問題に結びついている。より具体的には、「ネガティブ・ケイパビリティ」「カイロス的時間」「多孔的自己」といった潜在的にケアを孕む諸概念と深いところで通じている。本書は、これらの概念を結束点としながら、海外文学、日本文学の分析を通して「ケアの倫理」をより多元的なものとして捉え返そうという試みである。(本書「あとがき」より)

■著者プロフィール
小川 公代 (オガワ キミヨ) (著/文)
1972年和歌山県生まれ。上智大学外国語学部教授。ケンブリッジ大学政治社会学部卒業。グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D.)。専門は、ロマン主義文学、および医学史。著書に『文学とアダプテーション――ヨーロッパの文化的変容』(共編著、春風社)、『ジェイン・オースティン研究の今』(共著、彩流社)、訳書に『エアスイミング』(シャーロット・ジョーンズ著、幻戯書房)『肥満男子の身体表象』(共訳、サンダー・L・ギルマン著、法政大学出版局)などがある。

■その他商品情報
出版:講談社
判型・頁数:四六判 226ページ
発売日:2021年8月30日