■枯淡苑のコメント
至高のAI「タイタン」により人類が仕事から解放された未来で、
就労経験ゼロの女性が労働フォーマンス低下に陥った「タイタン」のカウンセリングを行う—「仕事」をめぐるロードノベル。
労働・創作・純愛・貨幣すら必要のない世界の中、
コミカルな登場人物たちと共に「過労」「職場の人間関係」「自分探しの旅」「やりがい」といった
現代にも通ずる「働く」ことの意味を終始問い直しています。
納得のいく答えを見つけるために、人格化された超高度AIと共に
人は思いを言語化し、対話し、傾聴し、問いを作り、悩み考える……
共に過ごす日々を繰り返し、この先進化していくAIと人間が選択できるであろう
「歩み寄り」の姿が映し出されているのが印象的です。
2023年初頭のトピックと絡めると、黎明期を迎えた「呪文を唱えて回答を得る」AIチャットボットとの付き合い方、
ユーザーインターフェースは違えど「人はAIに何を教えていくべきのか」について、主人公の姿勢には感化される部分があります。
また、影響力の大きいテクノロジーを取り扱う組織の問題も顔をのぞかせ
新社長の配下となったSNSサービスについても少し思いを馳せてしまうことも。
テーマはややシリアスですが、著者は『know』『HELLO WORLD』など、そう遠くない少し先の未来を瑞々しく描いてきた野崎まど。
読者を「肩肘張らず、前向きに」引っ張ってくれるSFエンタテインメント小説となっています。
2023年1月にレーベル「講談社タイガ」より文庫版(品田遊氏の解説付き)も出ています。
■こちらの本もおすすめです
- 働くことの人類学【活字版】 仕事と自由をめぐる8つの対話
- アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? これからの経済と女性の話
- ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論
- 料理と利他
■目次
I 就労
II 傾聴
III 休暇
Ⅳ 旅路
Ⅴ 対面
Ⅵ 仕事
エピローグ
■著者プロフィール
野崎 まど (ノザキ マド) (著/文)
2009年『[映] アムリタ』で、「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー。 2013年に刊行された『know』(早川書房)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。2017年テレビアニメーション『正解するカド』でシリーズ構成と脚本を、また2019年公開の劇場アニメーション『HELLO WORLD』でも脚本を務める。講談社タイガより刊行されている「バビロン」シリーズ(2020年現在、シリーズ3巻まで刊行中)は、2019年よりアニメが放送された。文芸界要注目の作家。
上記内容は本書刊行時のものです。
■その他商品情報
著:野崎まど
出版:講談社
判型・頁数:四六判、386ページ
発売日:2020年4月22日
至高のAI「タイタン」により人類が仕事から解放された未来で、
就労経験ゼロの女性が労働フォーマンス低下に陥った「タイタン」のカウンセリングを行う—「仕事」をめぐるロードノベル。
労働・創作・純愛・貨幣すら必要のない世界の中、
コミカルな登場人物たちと共に「過労」「職場の人間関係」「自分探しの旅」「やりがい」といった
現代にも通ずる「働く」ことの意味を終始問い直しています。
納得のいく答えを見つけるために、人格化された超高度AIと共に
人は思いを言語化し、対話し、傾聴し、問いを作り、悩み考える……
共に過ごす日々を繰り返し、この先進化していくAIと人間が選択できるであろう
「歩み寄り」の姿が映し出されているのが印象的です。
2023年初頭のトピックと絡めると、黎明期を迎えた「呪文を唱えて回答を得る」AIチャットボットとの付き合い方、
ユーザーインターフェースは違えど「人はAIに何を教えていくべきのか」について、主人公の姿勢には感化される部分があります。
また、影響力の大きいテクノロジーを取り扱う組織の問題も顔をのぞかせ
新社長の配下となったSNSサービスについても少し思いを馳せてしまうことも。
テーマはややシリアスですが、著者は『know』『HELLO WORLD』など、そう遠くない少し先の未来を瑞々しく描いてきた野崎まど。
読者を「肩肘張らず、前向きに」引っ張ってくれるSFエンタテインメント小説となっています。
2023年1月にレーベル「講談社タイガ」より文庫版(品田遊氏の解説付き)も出ています。
■こちらの本もおすすめです
- 働くことの人類学【活字版】 仕事と自由をめぐる8つの対話
- アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? これからの経済と女性の話
- ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論
- 料理と利他
■目次
I 就労
II 傾聴
III 休暇
Ⅳ 旅路
Ⅴ 対面
Ⅵ 仕事
エピローグ
■著者プロフィール
野崎 まど (ノザキ マド) (著/文)
2009年『[映] アムリタ』で、「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー。 2013年に刊行された『know』(早川書房)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。2017年テレビアニメーション『正解するカド』でシリーズ構成と脚本を、また2019年公開の劇場アニメーション『HELLO WORLD』でも脚本を務める。講談社タイガより刊行されている「バビロン」シリーズ(2020年現在、シリーズ3巻まで刊行中)は、2019年よりアニメが放送された。文芸界要注目の作家。
上記内容は本書刊行時のものです。
■その他商品情報
著:野崎まど
出版:講談社
判型・頁数:四六判、386ページ
発売日:2020年4月22日