【新刊】ネットは社会を分断しない

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■紹介
罵詈雑言が飛び交い、生産的な議論を行うことは不可能に思われる現在のインターネット。しかし、ネットの利用は本当に人々を分断しているのか? 10万人規模の実証調査で迫る、インターネットと現代社会の実態。

■目次
まえがき

第1章 ネットへの期待と幻滅――認識され始めた「分断」
 「ネットは社会を良くする」
 現在のネットに漂う絶望感
 分極化(polarization)とは何か
 実証研究――アメリカの場合
 日本の場合はどうなっているか
 分極化の問題点とは何か
 「集合知」の弱体化
 「ネット原因説」の登場

第2章 分断のネット原因説――選択的接触とパーソナルメディア化
 選択的接触とエコーチェンバー
 選択の自由の拡大が招いた閉鎖性
 デジタルマーケティングと選択的接触
 実証研究の紹介――アメリカ・日本の事例
 意見の穏健化を説明する「ホテリングのモデル」
 メディアの多様性の拡大が引き起こした分極化
 ネットメディアを利用する人の方が過激
 サイバーカスケード、そして自由と民主主義
 本書が提示する答え

第3章 本当にネットが原因なのか? その1――分断が起きているのはネットを使わない中高年
 分極化をどのように測るか
 年齢効果
 中高年先鋭化の事例
 アメリカでも先鋭化しているのは中高年
 「ネット原因説」との矛盾をどう解決するか

第4章 本当にネットが原因なのか? その2――ネットメディア利用の影響
 相関と因果の違い
 差の差分析(difference-in-difference)
 ネットメディアの利用は分極化に寄与するか
 政治的動機の除外
 年齢・性別ごとの検証
 一つだけ存在した分極化が進むケース
 ネットメディアの効果は穏健化が優勢
 選択的接触の話はどうなったのか

第5章 選択的接触の真実――賢明なネット世代
 保守・リベラルの一方だけの意見に接する人は5%以下
 論客のうち接する約4割は自分と逆の意見の持ち主
 クロス接触率4割をどう評価するか
 選択的接触はあくまで限定的
 年齢・性別ごとの検証
 選択的接触はマスメディアの場合の方が起きている
 ブログ・ネット雑誌読者の政治傾向
 紙雑誌の場合との比較
 予想と現実のズレはなぜ起きたか
 両側の意見を聞くと穏健化する
 ネット草創期の希望はまだ死んでいない

第6章 ネットで見える世論と真の世論――罵詈雑言を生む構造的問題
 なぜネットの議論は極端に見えるのか
 ネットでの議論の困難さ
 政治傾向の分布と表明される意見の分布のズレ
 ヘビーライターという存在
 書き込み数に見る意見の表れ方の歪み
 「目に触れる」という違い
 炎上事件から見えてくる「閲覧頻度」という要因
 萎縮効果
 ネットで見える世論の特性

あとがき――ネットの議論を良くするために

■著者プロフィール
田中 辰雄  (タナカ タツオ)  (著/文)
1957年、東京生まれ。東京大学大学院経済学研究科単位取得退学。現在、慶應義塾大学経済学部教授。専攻は計量経済学。著書に『ゲーム産業の経済分析』(共編著・東洋経済新報社)、『ネット炎上の研究』(共著、勁草書房)など。

浜屋 敏  (ハマヤ サトシ)  (著/文)
富士通総研・経済研究所、研究主幹。1986年京都大学法学部卒業後、同年富士通(株)入社。現在、早稲田大学大学院商学研究科にて非常勤講師として活動。専門は経営情報システム。著書に『プラットフォームビジネス最前線』(共編著、翔泳社)、『IoT時代の競争分析フレームワーク』(共編著、中央経済社)など。


■その他商品情報
出版:KADOKAWA
判型・頁数:新書判、240ページ
発売日:2019年10月10日

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