■枯淡苑のコメント
80年代に広がりを見せたニューミュージックの諸派を、作曲家・批評家・レコード会社A&R・音楽ライターらによって解説・レコメンドするディスクガイド。
エレクトロニカ、エクスペリメンタルポップ、ミニマル・ポストミニマル、ポスト・アヴァンギャルド、フリーミュージック、ボイスパフォーマンス、サウンドアート、ワールド・ニューミュージックといったジャンルに大別して、代表的な音楽家の来歴、作曲・演奏法を含めた解説とおすすめ入門ディスク3枚を交え紹介します。
そのほか、各シーン・ムーブメントの詳細解説、インタビュー記事に各寄稿者による小レビュー付き「Disk Guide」もあり、体系的な知識を（例えば前衛音楽、実験音楽、ミュージック・コンクレート、ノイズなどを時々横断しながら）豊富に蓄えられます。
本書で取り扱うジャンルの振り幅がやや広くは感じられますが、コンセプトの難解度や異文化理解の観点から見ても程よいバランスに落ち着き、未知の入門、既知の補完/深掘りにも最適です。
紹中には2023年時点で現役で活動中の音楽家もいますが、メジャーなストリーミングサービスでは網羅されていない音楽家、楽曲も多く、レコードショップなどで探しがいのあるラインナップが揃っています。
以下、店主が実際に聴いて良かったと感じたアーティスト/楽曲たちです。
- Belle Confusion 969 / FRANCISCO LOPEZ
- HELLO MUSIC / Fred Frith
- ERIK SAMAKH (Youtubeチャンネル掲載のフィールドレコーディング)
- ALIEN BOG/BEAUTIFUL SOOP / Pauline Oliveros
■目次
はじめに
Electronica ① エレクトロニカ
ジム・オルーク 21世紀に最も早くたどりついた音楽家
オヴァル テクノロジーそれ自体が軋む音響
メゴ テクノを逸脱したまったく新しい電子音響
池田亮司 ミニマル・テクノを時代遅れにしたテクノイズ
（テクノイズ・ジオグラフィー）
サンプリング 無数のパラレルなチャンネル
ジョン・オズワルド 野蛮で高速な｢贋の音楽｣
クリスチャン・マークレイ レコードという｢メディア｣を問う
大友良英 サンプリング・ウィルス計画
大友良英の変貌 グランド・ゼロの融解から
（Disk Guide)
コンピュータ・ミュージック 巨大スタジオから｢勝手に｣やる人まで
IRCAM ”国家直営”が産み出した巨大な成果
クラーレンツ・バーロウ 独自のアルゴリズミック・コンポジション
カール・ストーン レディメイド・ブリコラージュの快楽
ポスト・エレクトロアコースティック パーソナルでアンダーグランドな電子音楽
フランシスコ・ロペス ノイズ・コンクレートの鬼才
ケント・タンクレート ポスト・ノイズの神の息子
Experimental Pop ② エクスペリメンタル・ポップ
エクスペリメンタル・ポップ RIO 90
フレッド・フリス 構築と解放のための越境
ルネ・リュシエ ケベックのシーンを牽引するギタリスト
（Disk Guide)
ロック・アヴァンギャルド・クラシックス
Minimal&Postminimal ③ ミニマル＆ポストミニマル
ミニマル・ポストミニマル・ミュージック マキシマル化しつつある？構造とサウンド
スティーブ・ライヒ アクシデントから生まれた｢ずれの音楽｣
テリー・ライリー ｢譜面にかかれた音楽｣からの離陸
レモンテ・ヤング 独自の音律で奏でる永久音楽の劇場
ルイス・アンドリーセン 反ブルジョア的大作曲家
（Disk Guide)
ブリティッシュ・ニュー・ミュージック 大衆との接点の追求
マイケル・ナイマン （ポップ+ロック+クラシック）÷英国的皮肉
ギャヴァン・ブライヤーズ 柔らかで親密なペダンティスト
（Disk Guide)
Post Avantgarde ④ ポスト・アヴァンギャルド
ポスト・アヴァンギャルド 新たなる前衛をめざす？
マグヌス・リンドベルイ カレイドスコピックな音のドラマ
ブライアン・ファニホウ 複雑無比な音符の叢林
（Disk Guide)
前衛音楽クラシックス
実験音楽クラシックス
デイヴィッド・テュードア 世界と身体のコンポジット/コンポジション
コンロン・ナンカロウ プレイヤー・ピアノが紡ぐ微分的な時間
ベン・ニール・インタビュー ミュータントランペットと複合リズムの眩惑
デイヴ・ソルジャー・インタビュー ブラックミュージックと｢スキゾ・エクレクティズム｣
Free Music ⑤ フリー・ミュージック
ロワー・イースト・サイソ 交錯と衝突を繰り返す”路地裏”の音楽
ジョン・ゾーン スキゾ・エクレクティックからマサダへ
ガイ・クルセヴェク 世界をパノラマ化する超絶アコーディオン
トム・コラ 常に他者との共同作業を希求したチェリスト
（Disk Guide)
ヨーロッパ・フリー・ミュージック 地域と辺境に根ざした多中心的ネットワーク
デレク・ベイリー 即興を突き詰めた果てのアポリア
AMM 現代音楽を超えた冒険的即興運動
ウィレム・ブロイカー ストリートから社会へアクトする道化師
（Disk Guide)
高柳昌行 エレクトリック・ギターの｢負の特性｣の発見
ジャズ・アヴァンギャルド・クラシックス
（Disk Guide)
ヘンリー・カイザー・インタビュー インプヴィゼーションは瞬間の作曲
Voice Performers ⑥ 声のパフォーマーたち
声のパフォーマーたち 最も身近で多様な楽器
メレディス・モンク 声の快楽を探求するマルチ・パフォーマー
デイヴィッド・モス 泡立ち沸き立つ躁病的ヴォイス
シェリー・ハーシュ セクシャルに複雑化された声
デメトリオ・ストラトス いまこそ再発見されるべき革命ヴォーカリスト
（Disk Guide)
Sound Art ⑦ サウンド・アート
サウンド・アート 近代的な音楽を断ち切る｢非音楽｣
ポウル・パンハウゼン 多元的に展開するサウンド・アート・フィクサー
（Disk Guide)
World New Music ⑧ ワールド・ニュー・ミュージック
ワールド・ニュー・ミュージック 西洋と非西洋のクロスと錯綜
ジョン・ルーサー・アダムス 極北の大地の音楽
ルー・ハリソン 汎地球のためのハイブリッド音楽
ポーリー・オリヴェロス 音楽を超えるディープ・リスニング
（Disk Guide)
索引
執筆者プロフィール
■その他商品情報
著：伊藤タダユキ、大友良英、小沼純一、ヲノサトル、柿沼敏江、坂本理、佐々木敦、長木誠司、中川真、福島恵一、藤枝守、藤島寛、松山晋也、三輪真弘
出版：作品社
判型・頁数：A5判、256p
発売日：1999年8月31日
80年代に広がりを見せたニューミュージックの諸派を、作曲家・批評家・レコード会社A&R・音楽ライターらによって解説・レコメンドするディスクガイド。
エレクトロニカ、エクスペリメンタルポップ、ミニマル・ポストミニマル、ポスト・アヴァンギャルド、フリーミュージック、ボイスパフォーマンス、サウンドアート、ワールド・ニューミュージックといったジャンルに大別して、代表的な音楽家の来歴、作曲・演奏法を含めた解説とおすすめ入門ディスク3枚を交え紹介します。
そのほか、各シーン・ムーブメントの詳細解説、インタビュー記事に各寄稿者による小レビュー付き「Disk Guide」もあり、体系的な知識を（例えば前衛音楽、実験音楽、ミュージック・コンクレート、ノイズなどを時々横断しながら）豊富に蓄えられます。
本書で取り扱うジャンルの振り幅がやや広くは感じられますが、コンセプトの難解度や異文化理解の観点から見ても程よいバランスに落ち着き、未知の入門、既知の補完/深掘りにも最適です。
紹中には2023年時点で現役で活動中の音楽家もいますが、メジャーなストリーミングサービスでは網羅されていない音楽家、楽曲も多く、レコードショップなどで探しがいのあるラインナップが揃っています。
以下、店主が実際に聴いて良かったと感じたアーティスト/楽曲たちです。
- Belle Confusion 969 / FRANCISCO LOPEZ
- HELLO MUSIC / Fred Frith
- ERIK SAMAKH (Youtubeチャンネル掲載のフィールドレコーディング)
- ALIEN BOG/BEAUTIFUL SOOP / Pauline Oliveros
■目次
はじめに
Electronica ① エレクトロニカ
ジム・オルーク 21世紀に最も早くたどりついた音楽家
オヴァル テクノロジーそれ自体が軋む音響
メゴ テクノを逸脱したまったく新しい電子音響
池田亮司 ミニマル・テクノを時代遅れにしたテクノイズ
（テクノイズ・ジオグラフィー）
サンプリング 無数のパラレルなチャンネル
ジョン・オズワルド 野蛮で高速な｢贋の音楽｣
クリスチャン・マークレイ レコードという｢メディア｣を問う
大友良英 サンプリング・ウィルス計画
大友良英の変貌 グランド・ゼロの融解から
（Disk Guide)
コンピュータ・ミュージック 巨大スタジオから｢勝手に｣やる人まで
IRCAM ”国家直営”が産み出した巨大な成果
クラーレンツ・バーロウ 独自のアルゴリズミック・コンポジション
カール・ストーン レディメイド・ブリコラージュの快楽
ポスト・エレクトロアコースティック パーソナルでアンダーグランドな電子音楽
フランシスコ・ロペス ノイズ・コンクレートの鬼才
ケント・タンクレート ポスト・ノイズの神の息子
Experimental Pop ② エクスペリメンタル・ポップ
エクスペリメンタル・ポップ RIO 90
フレッド・フリス 構築と解放のための越境
ルネ・リュシエ ケベックのシーンを牽引するギタリスト
（Disk Guide)
ロック・アヴァンギャルド・クラシックス
Minimal&Postminimal ③ ミニマル＆ポストミニマル
ミニマル・ポストミニマル・ミュージック マキシマル化しつつある？構造とサウンド
スティーブ・ライヒ アクシデントから生まれた｢ずれの音楽｣
テリー・ライリー ｢譜面にかかれた音楽｣からの離陸
レモンテ・ヤング 独自の音律で奏でる永久音楽の劇場
ルイス・アンドリーセン 反ブルジョア的大作曲家
（Disk Guide)
ブリティッシュ・ニュー・ミュージック 大衆との接点の追求
マイケル・ナイマン （ポップ+ロック+クラシック）÷英国的皮肉
ギャヴァン・ブライヤーズ 柔らかで親密なペダンティスト
（Disk Guide)
Post Avantgarde ④ ポスト・アヴァンギャルド
ポスト・アヴァンギャルド 新たなる前衛をめざす？
マグヌス・リンドベルイ カレイドスコピックな音のドラマ
ブライアン・ファニホウ 複雑無比な音符の叢林
（Disk Guide)
前衛音楽クラシックス
実験音楽クラシックス
デイヴィッド・テュードア 世界と身体のコンポジット/コンポジション
コンロン・ナンカロウ プレイヤー・ピアノが紡ぐ微分的な時間
ベン・ニール・インタビュー ミュータントランペットと複合リズムの眩惑
デイヴ・ソルジャー・インタビュー ブラックミュージックと｢スキゾ・エクレクティズム｣
Free Music ⑤ フリー・ミュージック
ロワー・イースト・サイソ 交錯と衝突を繰り返す”路地裏”の音楽
ジョン・ゾーン スキゾ・エクレクティックからマサダへ
ガイ・クルセヴェク 世界をパノラマ化する超絶アコーディオン
トム・コラ 常に他者との共同作業を希求したチェリスト
（Disk Guide)
ヨーロッパ・フリー・ミュージック 地域と辺境に根ざした多中心的ネットワーク
デレク・ベイリー 即興を突き詰めた果てのアポリア
AMM 現代音楽を超えた冒険的即興運動
ウィレム・ブロイカー ストリートから社会へアクトする道化師
（Disk Guide)
高柳昌行 エレクトリック・ギターの｢負の特性｣の発見
ジャズ・アヴァンギャルド・クラシックス
（Disk Guide)
ヘンリー・カイザー・インタビュー インプヴィゼーションは瞬間の作曲
Voice Performers ⑥ 声のパフォーマーたち
声のパフォーマーたち 最も身近で多様な楽器
メレディス・モンク 声の快楽を探求するマルチ・パフォーマー
デイヴィッド・モス 泡立ち沸き立つ躁病的ヴォイス
シェリー・ハーシュ セクシャルに複雑化された声
デメトリオ・ストラトス いまこそ再発見されるべき革命ヴォーカリスト
（Disk Guide)
Sound Art ⑦ サウンド・アート
サウンド・アート 近代的な音楽を断ち切る｢非音楽｣
ポウル・パンハウゼン 多元的に展開するサウンド・アート・フィクサー
（Disk Guide)
World New Music ⑧ ワールド・ニュー・ミュージック
ワールド・ニュー・ミュージック 西洋と非西洋のクロスと錯綜
ジョン・ルーサー・アダムス 極北の大地の音楽
ルー・ハリソン 汎地球のためのハイブリッド音楽
ポーリー・オリヴェロス 音楽を超えるディープ・リスニング
（Disk Guide)
索引
執筆者プロフィール
■その他商品情報
著：伊藤タダユキ、大友良英、小沼純一、ヲノサトル、柿沼敏江、坂本理、佐々木敦、長木誠司、中川真、福島恵一、藤枝守、藤島寛、松山晋也、三輪真弘
出版：作品社
判型・頁数：A5判、256p
発売日：1999年8月31日