Webサイトリニューアルのご挨拶

枯淡苑は、皆様のおかげで先月の7月20日に無事1周年を迎えることができました。

そしてこの度、Webサイトをリニューアルいたしました。 これまで cotan books(本屋)と wildswag(花屋)でWebサイトがバラバラになっていた状況でしたが、今回「枯淡苑」として1つにまとめることといたしました。

 

今回のリニューアルを機に、Webサイトにて本は「選書サービス」を、花は「レッスン予約」「個別オーダー」ができるようになりました。また、チャットでのお問い合わせにも対応しました。

SNSもFacebook、Instagram、Twitterは1つのアカウントに統一されています。

今後の日々の情報発信は新しい"枯淡苑"アカウントにて行いますので、お手数ですがフォローのほどよろしくお願いいたします。

 

1周年を迎えるにあたり、枯淡苑のこれからについて2人で話し合いました。

 

私たちは枯淡苑についてどうしていきたいのか? 私たちににとってお店の名前にもなっている枯淡とはあらためて何か? 枯淡苑は何を目指していくべきなのか? など、基本的なことをあらためて確認していきました。

その過程で、当初の2人がそれぞれ持っていた考えを大きく包含する屋根を加える形で、お店のコンセプトを見直しました。

 

最初の質問の「枯淡苑についてどうしてきたいのか?」に対する答えは、枯淡苑をさまざまな意味でより良いお店にしたいということ。

 

ここではお客様にとって、私たちにとって、世の中にとって三方良しを意味しています。これまでご来店いただいた人々との交流を通して、さらに枯淡苑を良いお店にしていきたいという思いが日に日に強くなっています。"良いお店"を明確に定義できるわけではないのですが、今の状態からさらに、小さな事柄をひとつひとつ良い状態に近づけようと思いました。

 

そして、私たちが本と花を提供する理由として共通する想いを抽出しました。

例えば本を読むことで、物語や芸術に癒されたり刺激を受けたり、知識を得て自らの心身のケアに気を払えるようになったりします。草花からも似た影響を受けられますし、生活の中に四季を取り入れる楽しみや、心休まる時間も得られるようになります。

これら全ては、世俗に流されず自らの価値観に従う - 枯淡な状態 - につながるものであるはず、という認識が私たち2人の中にもありました。

 

そこからあらためて、何を目指していくべきかについて話し合った時、最終的にたどり着いたのは、枯淡苑を通して、「"心身の調和"と"世俗からの自立"の2つを保てるようになったら素敵なことではないか」という妄想に近い仮説です。

 

言い換えれば、ひとりの人間が自らの心身を気遣い続けることができ(心身の調和を保つ)、さらには自らの創造性を発揮したり、ありのままの自己を認められる(世俗から自立する)すべを手に入れることができれば、巡り巡ってより良い世の中に繋がっていくのではないかと、ということです。

 

突然ですが、ウェルビーイング(肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態)の要素を分解したときに「私(個人-内)」「私たち(個人-間)」「公共(コミュニティ)」の3つに分けられます。

この分類に則って考えれば、第一に個人にとっての心身のバランスが取れ、個人間の関係性が向上し、ひいては公共圏(ご近所からグローバルまで)へ視点を移し、より善い行動が喚起され、広がり、続くことができるのではないかという希望でもあります。

 

必ずしもこの順序で物事が進むとは限らず、本質はもっと複雑なものと思っていますが、私たちが草の根的にできることとして、まずは個人のウェルビーイングに持続可能性を与えられるようになりたい、というのが2人で出した結論です。

 

調和と自立、これら2つの要素は一見相反しているようにも見えます。 この2つの柱を流れとして考えた時、「心身の調和ができてはじめて個が自立できる」「自立ができているからこそ調和ができる」というA→B 、B→A という図式も成り立つかと思います。

 

しかし少し見方を変えれば、調和と自立は反復する、つまり時間の流れと共に行ったり来たりすることもあるはずです。人間の状態というものは、どちらかに永久に留まり続けることはないと考え、A⇄B のループをくりかえした先に、"枯淡"の境地に辿り着くだろうと捉えることにしました。


当初は調和のみで十分ではとも考えましたが、"外の環境に自らを合わせていくこと"きらいがうかがえ、もっと自由に、内発的に自身を解放していくことも人生の豊かさにおいては大事な要素、それも含まれてこそ枯淡ではないかと考え、これら2つをより普遍性がある軸として置くことにしました。

 

音楽で例えるならば、協和音と不協和音、またはコードトーンとテンションノートの関係性に近いかもしれません。

協和音のように人生はいつも安定していては面白くない。たまには王道を外したり、無駄なことをして豊かさを広げることも重要だと思いますし、店主個人としては、これら2つのバランスを両立させた音楽を奏でるつもりでお店をやっていきたい、そんな気持ちも込められています。

 

長くなりましたが、コンセプトについてまとめると、「心身の調和と世俗からの自立」では少しとっつきにくいため、よりシンプルな表現に直し、枯淡苑が総体として目指すものを「Harmony & Independence」として統一することにしました。

 

そして、お店の商品性やサービスもこの概念に合わせて変化していきます。 この文章は、この新しいコンセプトと共に、枯淡苑から皆様にお裾分けできる豊かさの質と量を高めていきたい、という表明です。

 

今後とも、枯淡苑をよろしくお願いいたします。

 

枯淡苑