絵本と子育て
子どもが先日3歳になった。
0〜3歳まで子育てをしてみて、絵本をどう取り扱ってきたか、実体験に基づくもの、自分が感じたことから色々書いてみようと思う。
おすすめ絵本
本屋なので絵本は大量にあって困らないが、子育て中の方には「こどものとも」や「かがくのとも」をおすすめしたい。福音館書店が発行する月刊の絵本シリーズだ。
軽い。カバーがついておらず、薄く柔らかいので旅行にも持って行ける。コクヨノートみたいな。
5冊まとめてリュックに余ったスペースに入れておき、子どもが騒いだ時に読みたいものを選んでもらうとそれなりに静かになる。
低年齢向けには「こどものとも 0.1.2.」がある。ボードブックなので分厚いが、本の扱いが多少乱暴でも安心だ。
若いお母さんには知らない人もいるようで、園に通わせていると購読のお知らせがあったりする。
古本屋でも、ドサっと仕入れることが多いので、売っているところはそれなりにあるんでないだろうか。
よく読んでた本
いないいないばあはすごかった。もこもこもこも長いこと見た。
なんとなく図書館で借りた「フルーツポンチ」もしばらくハマっていた。
言葉がわからない間は、当然、ストーリーよりも多少刺激的なビジュアル+音声(リズムやオノマトペ)が重視される。
たまたま手に入れた小学館の「宇宙」に関する図鑑は、「ちきゅうみる」といって寝る前によく一人で読んでいた。
太陽や星雲が好きだったようで、かこさとしの地球はあまりハマらなかった。
アトムの歌が好きだったころ、らんま1/2を「アトム」といってよく読んでいた。
コマに書かれた効果音を読んであげると喜んだ。
「いやだいやだ」や「きれいなはこ」などのせなけいこ作品もよく読んだが、やはり「おばけの天ぷら」のインパクトはすごかった。ページが破れて文字が読めないものでも何度も読まされた。
絵本は造本の楽しさや独創性があるのも面白い。
トーマスが描かれたマグネットを貼る絵本、音が鳴るピアノ付き絵本、指人形がついた絵本、しかけ絵本など多彩だ。
2歳のクリスマスプレゼントに妻が選んだメイシーちゃんの巨大しかけ絵本はすごかった。
キャラクターやメイシーちゃんの庭付き邸宅や私物が1枚1枚再現されていて、しっかり原作シリーズのエピソードや設定が組み込まれている。
普段はしまっているがリクエストされては出してあげて、おままごとや人形遊びに使われている。
個人的にクオリティの高さで衝撃を受けたのが「はっけよい、のこった」。
基本はリズム重視のナレーションで進むのだけど、話も絵も面白く、匠の技を感じる。
妻は「おばけでんしゃ」が気に入ってるようで、絵に細かな仕掛けがあるものは大人も楽しい。
本の扱い
カバーを剥がす。我が子だけなのか、やたらとカバーを剥がす。本の正体に向き合おうとしている。
化粧函とか輸送箱のような存在なのか。この癖は3歳になった今でも続いている。
まあ本の本体はカバーがない姿であって、(少なくとも子どもにとって)大事なのは読めることなので、カバーやページを破ったからといって、怒ったり捨てたりする必要はないかと思う。
破損したら100均で買える製本テープなどで直して上げれば良い。セロハンテープは劣化や汚れやすいのでおすすめしない。
1歳ごろはページのめくりかたが危なっかしくて書店や図書館でひやひやした。一緒にやろうとすると怒られるので防ぐ方法はなかった。
0歳に買ったものでも、完全に理解したわけではないのでしばらく置いておいても年月を経て勝手に取り出して読み始める。
3歳近くになると、絵本を取り出して、文字は読めないのに自分で話を作って一人語りをしながらページをめくっている。
だいたいが本来の内容とは関係なく最近聞いた言葉やエピソードが盛り込まれていて、聞いてて微笑ましい。
親に読んでほしい時は「読んでくーださい」「アンパンマンよむー」と言って持ってくる。
読み終えてからの話
絵本は買ったものは基本残して、どうしても処分せざるをえないとなったら誰かにあげるか、古本屋に持ってきてもらえれば次世代の親子に引き継がれる。
大人も絵本は楽しむためだったり、なつかしさで買ったりするし、子どもは新刊古本など気にしない。
当店の買取では60〜70歳の方が、自分が読んでいた、もしくは子どもに読ませていた本を持ってくる。
耐用性にも驚くが、本に対するさまざまな思いをにじませる。
タイトルや状態を見ながら、ああ、思い出とつながってるから捨てられなかったんだな、大事にしてたんだな、読み潰したんだな、など。このあたりは古本屋の醍醐味だ。
自分も、こうやって書いてみると、思ったより絵本と子どもの思い出が蓄積されていて、絵本に付いた汚れや傷は、思い出を呼び起こすトリガーになっていることを実感した。
ボロボロに読めなくなっても、絵本には「子育て」という特別な意味が宿るのだ。